2013年1月28日月曜日

MHS Starkiller その5 ブレードホルダー&シュラウド篇

ブレードホルダーにはTCSS製Graflexパーツのボタンっぽいネジを挿してブレードを留めるリテンションスクリューとするための穴あけを行う。
ボタンのように見えるネジ

曲面に設置するとネジに過剰な力がかかるおそれがあるため、座りを良くする平面を作成する。
ドレメルで削り削り。

この頃になると精度を出せないことを逆手に取ってアバウトに寸法を出してから、最後にヤスリで調整するようになっていた。なので気楽な作業。
TCSS製のネジパーツなので10-32でタッピング。

あとはブレードがきっちり止まる程度にネジ側の座面が平面にピタッとくっつくよう、ネジをヤスリで削る。ネジは真鍮製なので削り易かった。
ネジの裏側

座面がピッタリと固定されてる。

この程度の出っ張りでもブレードは確実に固定される。


このパーツも塗装と染色を残して一応完成。ついでだが中に入れるLEDについて。LEDはマルチカラーとするために手持ちのLedenginを使おうかなと思ってたら工作仲間の、はちさんがTCSSに発注するので相乗りさせてもらってTri-Rebelとそれ用のパーツ一式を入手。はちさん感謝です!
Tri-Rebel

配線がわかりやすくなるよう色分けしてハンダ付けした。Ledenginよりはやりやすかった。試しに発光させてみたらすげー明るい。
ヒートシンクが専用のものとなっているが、他のパーツと干渉するため、いらないところを切ってしまう。
銅は粘って切りにくい。

切断完了。ノコ万歳!

固定は熱伝導シールで行う。位置がずれないように注意が必要。ずれるとホルダーに収まらなくなる。

コレも専用となるレンズをかぶせて

ホルダーに装着。

以前のブレードホルダーではLED固定の方式が異なってて、本体装着時にレンズがずれたりして大変だったが、この形式だとその心配がない。上手くやれば熱伝導シールでの固定も必要なくなってる。

お次はシュラウド。

シュラウドとは「包むもの,おおい,幕,とばり」という意味で、Starkillerでは本体を覆う筒の部分。StarkillerはGraflexセーバーのデザインをベースにしているので、特徴的かつエレガントな曲線を持ったシュラウドになっている。
Graflexのストロボ。コレがライトセーバーになるとはね。

この曲線の再現はちょっと厄介。なので実物をパクることに。たまたま所有していたGraflex製のルークESBに方眼紙をかぶせて曲面をなぞる。
持っててよかったGraflex。

それを参考にしつつ型紙を製作。寸法に従って方眼紙にお絵かき。
πとかラジアンとかWebで計算

こいつをコンビニでコピーしたものを切って、ブツにかぶせる。
完成形が見え始めて俄然意気が揚がる

寸法を調整して原紙を直し、またコピーして貼り付けて具合を見る、そのためにコンビニまで往復するという非常に面倒くさい作業をを繰り返した後、シュラウド用のアルミパイプに貼り付けてドリルやノコ、ヤスリで加工していく。
紙が剥がれてもいいように型紙に合わせてケガキも行ってる。

ザクザク切ってゴリゴリ穴開け
大きめの丸穴や四角穴の部分は外周に沿ってドリルでたくさん穴を開けておき、ヤスリで削って穴をつなげて大きな穴を作り、そこから更にヤスリで削って整形している。ヤスリ大活躍で机の上は削り粉まみれ。
オラオラー!
などと調子に乗ってたら、四角穴を少し削りすぎてしまった。都度都度現物とあわせて寸法を確認してたんだけどね。
尖端の曲線の部分も大まかにノコで直線的に切断したあと、ヤスリで曲面を形成している。
とりあえず完成。

リブエクステンションに固定するためのボルト穴位置も少しずれていたのでヤスリで調整。ボルト穴はM4の場合、Φ4.8なんだがずれ過ぎるのが怖くてΦ4.2でやってた。結果的に0.4mmほど削ったのでΦ4.8でやっとくべきだったな。

試しに組み合わせてみるとこんな感じ。



こいつは塗装しないので研磨して完成。スイッチ類が埋まってるのがイイね。締結もしっかりしてるため、とても剛性感がする。以前に作ったStarkillerモドキのMHS3rdで使ったシンクチューブとは比較にならない。
シンクチューブ製シュラウド。

こんなのを作るのに四苦八苦してたんだよねぇ。

2013年1月27日日曜日

MHS StarKiller その4 クリスタルチェンバー篇



Starkillerの最大の魅力である、クリスタルが露出した部分。機構的にはメインシャーシとメインLED、スイッチをつなぎ、クリスタルシャーシを収めてシュラウドを固定するパーツである。
側面断面図

役割が多いため、一番加工を行ったパーツといえる。一番最初に取り掛かり、最後まで手が掛かった。
基本的には元ネタを踏襲している。TCSS製リブエクステンションをクリスタルが露出させる分だけ切り開く。最初から溝が掘ってあるので加工&位置決めが容易に行える。これに目を付けたXanatosさんは偉い。切断はドレメルで行った。ノコではちょっと難しいかも。
リブエクステンション。カット部分をマーキング

次にスイッチボックスを設置する部分に平面を作成する。座りを良くする為だ。ヤスリでは無理だと思い、平面削り用のルータービットをセットしたドレメルをワークステーションに固定して削る用にした。ちょうどこの頃、職業訓練所でフライス盤を使う加工実習をやってて、そこからの発想である。
もちろんフライス盤のように三次元に動かせるテーブルもないし、ワークステーションも精密な指定位置に刃先を固定するなんてことが出来ないから、作業にはかなり苦労した。

具体的には下記の要領。

  1. ワーク(加工対象)をクランプにセット。この際、5mm厚のアルミ製敷板を敷いておく。
  2. 次にプラスチックハンマーでワークを上から叩き敷板に密着させる。密着したかどうかは敷板の両側を動かせばわかる。動かなければ敷板と密着している。これによりクランプ底面とワークの切削面が平行になる。
  3. この状態で刃先の先端がワークに当たる位置まで本体固定位置を下ろす。これでゼロ点が割り出せた。
  4. 一度ワークを外し、敷板の上に切削したい深さと同じ寸法の板をかませる。その状態でワークをクランプに先ほどと同じ要領で固定する。
  5. 中心位置が重要な場合はワークの中心が挟み込んだ中心に来ているか、スケールで測る。もちろん目測なので精度は出ない。元より刃物を支える部分が樹脂製で剛性が期待できないから、多少は目をつぶらなければ。
  6. とにかくそうやって刃物とワークの位置決めを行い、あとはクランプを手でワークステーションの作業台に押し付けながら動かして刃物に当てていき切削を行った。

最初は刃先の選定を誤っていたため、刃先をほんの少し食い込ませすぎると、抵抗が大きくなりすぎて機械が暴れて大変だった。
割と上手に出来ましたー

平面が作成できたら次はネジ穴加工。これは大した苦労もなく完了。
加工の知識が全く無かった頃はいきなり下穴を開けてたりしたが、今はガイドとなる穴を先に開けるようにしている。切削油もなるべく使っている。
タッピング中

スイッチ配線用のキリ穴も開けたがこの位置は設計ミスだった。設計変更を忘れてそのままにしてしまったのだ。少し配線がやりづらくなるが重大な問題ではないため、これはこのままとする。
バブルレンズ設置用のネジ穴はパーツがTCSS製でユニファイ規格なため、それに合わせて10-32のタップ・ドリルセットを購入していた。あとで知ったが10-32のネジピッチはM5と互換なそうな。それで下穴を空けたらまたズレた。ああイライラ。空けちゃったものはしょうがないのでタップする。

そのようにして作ったネジ穴で下図のようにシュラウドを左右3本ずつ、6本のM4なべ六角で締結するのである。

もう一つシャーシディスクを固定するためのイモネジ用穴をM3で作る。
クリスタルシャーシ突っ込んでネジ位置確認

バブルレンズを装着。

てなわけであとは染色を残すのみ。


2013年1月26日土曜日

MHS Starkiller その3 クリスタルシャーシ篇


以前から作ってみたかったクリスタルチェンバー。ラリグラのワーキングを目論んでいた頃にもあれやこれやと妄想してたが、いざ実際に作るとなると何をどうしたものやらである。
とりあえず色々な作例を漁ってみて、Slothfurnace氏の放熱フィン付きチェンバーがむやみにカッコよかったので真似してみる。
Slothfurnace氏のANH Vader

まずは主役となるクリスタル。ブレードカラーに合わせてマルチカラーで発光させるだけでなくため、透明なものを見繕う。最近は色んな所に石屋が出来ていて、偶々入った店で小さな袋に詰め放題500円のクズ水晶を売ってたので、形のよさそうなものをチョイス。
二酸化珪素の結晶
(カット用にマーキングしてある)

ドレメルのカッターで整形してやろうとしたが、全く歯が立たない。水晶の硬度は7で金属よりずっと硬いのだ。しょうがないのでダイヤモンドカッターを購入する事にしたが、ドレメル純正のは高い。安めなプロクソン製のを購入して整形開始。
過熱すると水晶が割れたりカッターの寿命が縮むそうなので、適宜水に浸しながら削っていく。特に困難を感じることもなく、整形完了。
ダイヤモンドカッターだとさくさく削れる。

クリスタルを支えるパーツは、何となくカッコよかったベアリング。これはTCSSシャーシディスクに接着してしまう。
TCSSシャーシ(加工済み)に貼り付け。

シャーシディスクは配線用パイプを通すために追加で穴を開けてる。
あと、3mm径の真鍮製スピンサートをディテール用に突っ込んでる。クランプを使って圧入してるのでちょっとやそっとでは取れない。

組み合わせるとこんな感じ。

水晶は表面を少しだけ荒らして乱反射効率を上げてるつもり。シャーシディスクは位置決め用のイモネジを受ける面を削ってる。

次はフィンの制作。作中の画像を見るとチェンバー内には配線が露出してるようで、スイッチやらLEDの配線をそうする手もあったのだが、チャンバラに使えるしっかりした作りにしたかった為、パイプを通してその中に配線を通す構造にした。
LEDはマルチカラーとなるので配線はRGBに2本ずつで計6本。それを通せるパイプということで外径4mm、内径3mmの真鍮パイプを選定。一本のパイプに3本の線を通す。
問題はスイッチ用ワイヤ。これも3本必要なのだが、スイッチを設置するコントロールボックス内に導かなければならない。検討した結果、クリスタルチェンバーを格納するリブエクステンションに穴を開け、パイプを曲げ加工して配線を通すことに。
パイプを普通に曲げるとひしゃげて潰れてしまう為、パイプベンダーという工具を使った。
真鍮パイプ。折角曲げた部分はほとんど削り取ることに

フィンは1mm厚の真鍮板から切り出してドリルやヤスリなどで加工したのだが、貧弱な工具しかなくて正確な穴あけが出来ず、最後はヤスリで調整した。ボール盤が有ればなー。
アルミ板を使ってポンチを打ったり

ネジで固定して外形をヤスリで整えたり

などと画像を上げてるけど、これは全部失敗作のもの。ピッチ円を測りそこねてて全部やり直しになって、うんざりして工程の写真撮ってないのだった。

最初に作ったときはドレメルのカッターを使っていたが、切粉の飛散と刃先の不安定に辟易して、ノコギリとヤスリ、ドレメルのドリル(ボール盤として使用)だけで作るように。やってみると大抵のものはそれで作れちゃった。

ドレメルのドリルが貧弱で複数枚の板を重ねて貫通させられないため、一枚ずつ穴を空けざるを得ないという制約があった。せめてポンチだけでも正確にするため、アルミ板にケガキを行いゲージとする。真鍮板にも円を描いて、双方に位置決め用の3mmの穴を開けて、アルミ板を真鍮板にネジで固定してからポンチを打つ。その後、ドリルで穴を開けたのだがそれでもやっぱずれてしまう。あとはパイプなどを通せるようにヤスリで調整。
絶賛研磨中

色々頑張って何とか整形と研磨が終わった結果がコレ。
たかだかこれだけなのに苦労しました…。

グリップ部分になるパイプの加工をどうしたもんかなと呟いてみたらヤマビコさんが加工を申し出てくれ、旋盤で作成していただいた。とても良い仕上がりで感動。
ヤマビコさん大感謝

画像では真鍮製3mm径ネジ棒をパイプに突っ込んで両端をスピンサートで止めてある。上のバラバラになってるのはフィンの位置決め用スペーサー。これはヤマビコさんに作ってもらったものの予備を切って作成した。直角が綺麗に出ているので有り難い。

水晶に対向する側のシャーシディスクには反射板を仕込む予定だったが、スワロストーンを設置することにした。受け皿はコレを使う。

コレも接着せざるをえないため、接着面を稼ぐためスピンサートを裏側から圧入。

そこに手元にあった塩ビパイプにネジを切って、尖端にスワロストーンを貼りつけたものをネジ止めする。

ひと通りパーツが揃ったので仮組みを行なってみると、やはり穴の位置がズレズレだったので、ヤスリで削りまくって調整。位置決めが終わった後に配線用パイプの固定を行う。固定方法をどうすべきか迷った後、やったことないけどハンダ付けを試してみた。

組み付けた状態で位置を決めて、そのままハンダ付け。
汚いけど表から見えないからいいのだ。

固定ができたら分解してハンダ付け箇所を水道水で洗浄し、少しだけ磨く。

かなり強度があってガッチリ固定されている。真鍮はハンダ付けしやすい金属らしい。あれこれ語れるレベルではないが、やったこととしては以下の通り。

  1. 専用のハンダ付けセット(ヤニなしハンダとフラックスのセット)を用意。
  2. 接合面に綿棒でフラックスを塗布。
  3. 熱量を稼ぐため大きめのコテ先を使い、450℃にセットしたハンダこてで母材を加熱し、ハンダを供給。
  4. フラックスが沸騰してジュージュー音を立てるがその音がなくなるまで押し付けつづけてハンダを流す。
  5. 接着と言うよりはパテ埋めの感覚で。
  6. ハンダ付け後はフラックスがついた場所を必ず洗浄。でないと腐食が進む。

こうして完成した各種パーツは以下の通り。
これだけ揃えるのに3ヶ月掛かった…

組み立てて、リブエクステンション(加工済み)に装着してみる。
むふ

うへへへへ。やっぱフィンチェンバーはかっこええ。構造物って感じがたまらん。

このクリスタルチェンバーを照らすLEDを水晶の背後に設置する。まず、アルミ板からホルダーを削りだす。
2mm厚のアルミ板にケガキ

ドリル用にポンチ

穴あけ後に切り出して、整形。

これに3mmの砲弾型LEDをRGB2色ずつとメインLEDにシンクロする白色の計7つを配置し、導光用にアルミパイプの内側を研磨したものを接着剤で設置した。

LEDの足を短く切って、カソードを全部ハンダで連結

これらはアクセントLED端子に接続して、ブレードカラーに合わせて色を組み合わせて発光させる。
超めんどい

LED端子番号の1番は中央に配置された光量アップ用の白色LEDに接続してブレードの明滅にシンクロさせる。2と3を赤、4と5を緑、6と7を青でRGBの設定をわかりやすくしている。接続してから色を間違えてると面倒なので、一つつなぐごとにCFの設定を変更して指定番号が指定の色に光るかどうかを確認していた。

以下動作テスト。シーケンスパターンはデフォルトのまま。

問題なく動作。しかしブレードの明滅と白色LEDを動機させると色がぼやけるため、定期的に閃光させ、ロックアップ時にフラッシュさせることにした。調整には最初、R.I.C.E.を使ったがどうもバグが有るらしく上手く調整できないため、発光パターンをCFのパラメーターファイルであるidle.txtやlockup.txtを編集して試験稼働してみた。
合体!

動画はこちら。

なかなか良い感じだぞっと。あとはグリップを染色すればシャーシ部分は完成。

てな感じでもたもたしてたら、VadersVault氏がカラーチェンジクリスタルなStarKillerを完成させて、先を越されてしまった。ちくしょー!
コレまたすごい。

そしてフィンチェンバーなStarKillerを国内セーバースミスのIwtbo剣氏(@IwatsuboKen )が作成しておられ、コレまた先を越されちゃいました。
超絶かっこいい!&すげぇ出来!

ま、もうちょっともたもたしますわ。のんびりで行こう。